気になる骨盤の歪み
骨盤調整や骨盤矯正という呼ばれる施術が注目されている今、「骨盤の歪みを治しましょう」「骨盤が開いているから太りやすい」などといった言葉をよく耳にします。また専門家に「歪んでいる」「開いている」と言われると、何とも不安な気持ちになってしまうものです。まずは骨盤についての理解を深め、適正に対処できるようにしましょう。
もくじ
骨盤の作りを理解する
骨盤を構成する4つの骨
骨盤骨には沢山の筋肉が付いている
骨盤の何が歪むのか
骨盤が歪む原因
骨盤の歪むとどんな影響があるのか
肩こりや腰痛など身体の痛みの原因になる
内臓のはたらきが鈍る
太りやすくなる
骨盤の歪みを改善するために自分でできること
骨盤の作りを理解する
骨盤はひとつの大きな骨の塊ではありません。また身体の様々な動きに連動して細かく動いており、内臓を保護する大切な役割も果たしています。
骨盤を構成する4つの骨
骨盤を構成しているのは仙骨と尾骨、左右にある寛骨の4つの骨です。後面では仙骨と左右の寛骨が仙腸関節をつくり、前面では左右の寛骨同士が恥骨結合で繋がり、全体が連結して環状をしています。
仙腸関節は極わずかな可動性をもつ平面関節で脊柱の運動に関与している一方、恥骨結合は軟骨による結合であるためほぼ動きません。恥骨結合は女性の産道を確保するため、出産時のみ一時的に緩み可動性が確保されます。
骨盤骨には沢山の筋肉が付いている
骨盤は身体の中心部にあるため、お腹や腰を動かすための筋肉があることは簡単に想像できるでしょう。骨盤骨には身体を前後屈する筋肉の他、体幹を捻る筋肉、体幹を支えるインナーマッスル、股関節を動かす筋肉など様々な筋肉がついています。極度に伸張性が乏しかったり筋バランスが悪かったりすると身体の痛みに繋がりますので注意が必要です。
骨盤につく筋肉について詳しくはこちらでご紹介していますので、興味がある方は参考にしてみてくださいね。
骨盤の何が歪むのか
骨盤が歪むと聞いてどのような印象を受けるでしょうか。骨盤骨自体が変形しているわけでも関節面が離れてしまうのでもないのですが、「骨盤の骨が歪んでる」という表現によって、骨自体がぐにゃっと曲がっているように認識する方が多くいらっしゃいます。
また「骨盤の骨がずれている」「背骨がずれている」など、”ずれ”が生じていると表現される場合も同様です。実際には関節のわずかな回旋をさしているケースがほとんどで、双方の関節面が噛み合わなくなるような、関節の位置関係が前後左右に移動して”ずれる”ことは、脱臼を除いて極めて稀なケースと言えるでしょう。
骨盤が歪む原因
私たちの身体の骨格筋は、ひとつ以上の関節をまたいでついています。日常的に繰り返される不良姿勢や長時間の作業、スポーツによる局所的な負荷など、身体にかかる負荷が原因で筋肉の一部に過緊張を起こしたり柔軟性の低下を起こしたりします。
骨盤後面にある仙腸関節や骨盤上部にある腰仙関節にはわずかながら可動性があるため、骨盤につく筋肉の張力による影響を受けます。「骨盤の歪み」は骨盤につく筋のバランス不良が原因で起こると考える
骨盤の歪むとどんな影響があるのか
骨格や姿勢には個人差があるため、カラダの歪みや左右差があっても特に不調や痛みがなければ大きな問題ではありません。しかし長期的にみて改善が見込めず痛みの原因となったり、すでにカラダの不調や痛みがあったりするのであれば、できるだけ早く正す必要があります。
肩こりや腰痛など身体の痛みの原因になる
肩こりや腰痛だけでなく股関節や膝など、関節の痛みの原因となることがあります。
連動する関節運動のリズムが乱れて可動域が狭くなることや、左右の動き方の差や前後のバランス差が生じることなど、アライメントの偏りが原因で筋肉や関節にかかる負担が部分的に増えることが原因です。
内臓のはたらきが鈍る
筋の伸張性の悪さから腹部における若干の位置関係の変化がおこり、胃腸の働きが鈍って便秘がちになったり、代謝が悪くなったり、むくみや生理痛の原因になったりすることもあります。
太りやすくなる
むくみや代謝不良から体重が増えてしまったり、ボディラインの乱れにより見かけ上サイズアップしてしまったり、代謝不良から太りやすくなる原因にもなります。
例えばハムストリングの伸張性が乏しく骨盤が後傾している場合、腰を丸め肩を前に出すような姿勢になるためお腹がポッコリして見えてしまい、体重は変わらないのに洋服のウエストがきつくなってしまうことがあります。
骨盤の歪みを改善するために自分でできること
骨盤矯正の施術はもちろん効果的ですが、いつまでも定期的な施術を繰り返さなければならないのであれば、沢山のお金や時間が必要になります。自分で歪みやバランスを整えることができるようになるのが最も理想で、施術によって良い状態にある身体を維持できるかが重要です。
骨盤骨をまたいでついている筋肉のバランス不良を正すことができれば、必然的にカラダの動きが改善され、自力でアライメントを整えることができます。まずは自分のカラダの状態を把握し、どのようなストレッチやトレーニングをすれば良いのかを知りましょう。